第26回中・四国ブロック身体障害者相談員研修会 報告書
作成者: 水本 裕子
日時 令和7年10月2日(木)13:00~16:00
会場 米子コンベンションセンター 2階 国際会議室 (鳥取県米子市末広町294)
社会福祉法人日本身体障害者団体連合会 常務理事 君島 淳二様と、中・四国身体障害者相談員連絡協議会 会長 岡村 隆次様の挨拶の後、一般社団法人 アートスペースからふる 理事長 妹尾 恵依子(せのう えいこ) 氏の講演。
演題 アートを仕事に
アートスペースからふるには二つ事業あり。
・就労継続事業所 からふる
・県委託事業 アイサポート アートセンター
からふるは、就労継続B型事業所。
障害者があーとの制作・販売・作品レンタルなどでの収益事業がある。
障害当事者が社会と繋がることを目的に活動している。
利用者割合は、知的:精神:身体 7:2:1の割合。
登録者は321名程度だが、常時40名弱通所
曜日により変動はあるが、一日/10名程度が週1で順番に作業している。
その他の日は 他事業所またはデイサービス利用。
スタッフは10名程度で 40名程度の利用者を支えている。
事業所立ち上げからのテーマ:アート活動を仕事にする支援。
作品販売することにより、障害者がアートで社会とつながる仕組みを作る。
・イベント会場や企業ロビー・美容室などに作品を貸し出すレンタル事業。
作品レンタル料は工賃の一部になる。
その他の活用事例として、講演会パンフレット表紙への起用・カレンダー・バッグにプリント・プリントTシャツ販売など。
作品の写真データを販売することもある。
※作品販売の他、一般公募展にも積極的にエントリーしている。
立ち上げ翌年からの活動としては、
商店街に作品展示や空き店舗のシャッターにペイントなど 10月末から11月末までの期間アート展。
障害のあるひとのアート展は興味のある人しか来ないが、商店街では色んな人の眼にふれることができるので、障害者アートの認知度を高めることができている。
商店街での珍しい活動なので、メディアに取り上げられることも多い。
・アイサポートアートセンターについて
アートに対して県内活動の支援機関である。
年間相談支援は約100件
画材や点字などの相談
作品展: 年間大きな作品展は3回・小規模のものはほぼ毎月開催。
「オンライン上の美術館 (県唯一バリアフリー美術館)の運営管理も行っている。
県内で活躍している作家の作品展示あり。
フリーペーパー作成・紙やSNS
アイサポートHPからも閲覧可能
事業補助金を県から受けて、講師を招き技術高める会や作品展の女性に充てている。
からふる事業所では、集中してとりくめるか・こだわりを持っているか・作品に対して当事者の感覚を優先するようにし、スタッフの判断で終わらせないように配慮している。
※地域福祉としてできること
アートはだれでも平等にできること。
そこから自己肯定感を高める。
だれでも普通に生きることができ、現行のサービスが平等に享受することが大事。
職員の予想以上のことをしてほしい。
それがアート
指導のとおりにできることではない。
障害者が先生となり指導していけるようになることが目標。
取組事例発表
事例 1 オストメイト日常生活訓練を通じた相談員活動
発表者 鳥取市身体障害者相談員 奥田 春寿(おくだ はるとし) 氏
自身は 35歳で 大腸全摘。その後人工肛門手術で36年経過。
1 令和1年度から相談員として初めての活動
(オストメイト相談4件/1年間)
2 令和2年度、令和3年度の活動 (オストメイト相談4件/2年間)
3 令和4年度~令和6年度の活動 (オストメイト相談8件/3年間)
2. 身体障害者の相談0件報告が多いと感じる、相談はなぜ増えないのか
1 6年間の相談件数26件、年平均4件 0件報告は年間8ヶ月
2 障害者相談員の認知度と活動はどうなのか
あまり知られていない状況。
民生員と当事者団体が協力して相談件数は増えないか?
まず民生員に向けて オストメイトの話をした。
民生員は高齢者の情報は持っているが、オストメイト利用者の情報は入っていないようだ。
プライベートな情報のため。
相談しやすい環境作りはどうしたら?
3 個人情報保護法により障害者相談員も行政も何か打つ手はないのか
相談会開催案内文を役場から郵送してもらうことや、広報に掲示。
相談階案内文などは封筒に入れ、切手は団体で準備し 役場で宛名シールだけを貼ってもらい郵送してもらうことができた。
3. オストミー協会の日常生活復帰事業を通じて相談者の増加につながるか
1 オストミー協会の鳥取中部地区で町別相談会を開催した
2 令和6年7月オストメイトカフェを1回/月開店
3 病院内でオストメイト相談会を1回/月開催
4 日本オストミー協会鳥取県支部の知名度アップする方法の改善
今まではQRコードなどでの情報発信を模索したが、高齢化に伴い QRコードは利用無しと判断。相談会開催案内文を役場から郵送してもらうことや、広報に掲示。
役場で宛名シールをはる
切手は団体持ち
おわりに
ダメでもともと「ダメもと」精神で、
考え・模索し・行動し・失敗から学び、次の手を考える。その繰り返しが成功に繋がる。
事例2 相談員の再配置に向けた取り組み
発表者 伯耆町身体障害者相談員 花倉 積(はなむら つもる) 氏
1 伯耆町身体障害者福祉協会へ入会する ことになった理由
心臓病で 障害者手帳1種3級に。
当時は、支援を受ける側になったことが受け入れられなかった。・
経歴:
(1)特別支援学校に勤務していました ・・ ○特別支援学校での取り組み
・ 平成18年 県立皆生養護学校(肢体不自由児) →高校生議会へ参加:障がいへの理解、里親制度の件等 ・平成21年 県立米子養護学校(知的障がい児) →神楽、合唱 ・・ 自己有用感の醸成 ・平成26年 日南町立日南中学校(小中一貫教育;ともい き科)→障害者雇用のために、清掃業務の委託~平成28年 ⇒現職の時は、障がいのある者へ支援をする側、まさか自分が 障がい者・支援を受ける側になろうとは?
※「寡黙なる巨人」(多田富雄 著)世界的な免疫学者、2001年脳 梗塞に倒れ、障がいのある自らの思いが綴ってある。
○障害者手帳取得者は増えているのに、身障協会会員が増えない。 手帳取得者の連絡先等が不明。 (個人情報)の関係から、周囲から手帳保持者名と連絡先を知り得ても、連絡はできない。 →協会勧誘書式の変更:電話番号を記入、こちらから電話連絡 ※役場窓口に、障害者手帳更新等に来られた方に、勧誘申込書 を渡す。
2 相談員の再配置に向けて
(1)相談員の業務を考えるきっかけになったこと。
障害者協会に入った時、新規会員の加入がないことを経験。
手帳取得数増加にも関わらず 協会に入らない人が多い。
まず、ボッチャを企画し 集まる場を作る。
自分の障害について話せる場所作りが重要ではと感じた。
「以前のような(形式だけの相談員)ではなく、持続可能な(相談員)のあり方」を求める
「合理的配慮」←(更生救護・援護)という考え方
■更生 ・・ 「立ち直る」「改心する」という意味で使われる。特に、犯罪や非行を犯した人が、 過去の過ちを反省し、再び社会の一員として生活できるように、様々な支援や保護を受ける ことを指す場合が多い。
■「更生<仏教用語:過去を捨てて全く新しく生まれ変わること>」
⇒更に生きる⇒「甦る」 ・・ 「合理的配慮」を意識して活動を進める。
〇身障協会に関わる人たちの意識改革:愛称「ホウキ・ザ・ボッ チャ」
集まることで楽しめるように ・・・ 困りごと が話せる環境に ・・・ (自分の障がいについて、語ろう!)と する雰囲気になった。
※まずは 集まる場所を作ること。
自分の障害について話せる場所作り。
そこから 色んな話や相談し合える環境を作ることが有効。
福祉協会では特別会員:健常者の枠を作った。
R7年度入会一人。
相談員が必要だとの意識の高まりが今後の推進力の一つとなり得る。
当事者は、配慮の必要性が分かる相談員になること。
※手帳交付時などに配布する 勧誘チラシの見本は 資料に記載あり。
事例発表五、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会 常務理事 君島 淳二様より全体総括。
そして、翌年度開催県の 公益財団法人香川県身体障害者団体連合会会 長 岡村 隆次様よりあいさつあり。
閉会挨拶は、社会福祉法人鳥取県身体障害者福祉協会 会 長 山根 裕様。
感想 --
一般社団法人 アートスペースからふる 理事長 妹尾 恵依子(せのう えいこ) 氏の講演では、職員が 利用者それぞれの障害特性に配慮しながら 本人たちと試行錯誤しながら作品スタイルを構築させていく過程に驚きました。
職員の判断ではなく、作品を作る障害当事者を尊重しているからこそ、商品となる作品が生まれているのだと感じました。
また、商店街でのイベントを企画することで、地元の活性化と障害者アートを知ってもらう目的がうまくマッチしていると感心しました。
相談事例報告では、どの地域でも課題となっている 相談員のなり手不足と、相談活動の周知方法・相談件数を増やすための取り組み事例がとても参考になりました。
中でも、障害者手帳の更新・新規取得時に 障害者団体の案内文や行事案内を手渡していること。
看護士や福祉施設職員・民生員などに、相談員や相談活動について知ってもらうことは、地元でも取り入れてみる価値はあると感じました。